この恋、危険物につき取扱注意。

開いた窓から身を乗り出してこちらを見つめてくるのは、先ほどドアの向こうで騒いでいたうるさい奴で。


「だって、先パイが悪いんですよ!?先パイが私の告白をOKしてくれたら、私もこんなにうるさくしないのに!」


「…お前のそういうところがいやだ」




俺たちのやり取りを聞いていた里季が、俺の隣で吹き出す。



「おい、里季…」




「わりぃ、わりぃ」


大して悪びれるでもなく軽く謝って、里季が沢瀬に言う。



「そろそろチャイム鳴るんじゃねーの?」