この恋、危険物につき取扱注意。

しばらく口をぱくつかせて意味深な間を置いた後、里季が首を左右に振る。



「いや、何でもない」


「何だよ、気になんだろ」


「いやいや、本当に何でもない」




少しわだかまりを残したまま、里季はその話題を終えた。


しばらく微妙な沈黙が降りた後、俺は口を開く。



「夏休みの間1回だけ…あいつに会った」


「あいつって、沢瀬さんか?」


絶対に出したくない話題だったのに、さっきもそれで沢瀬を怒ったばかりなのに、俺は何を言っているんだろう。