この恋、危険物につき取扱注意。

「久々」


俺の背後にいた里季が、右手を上げて短いあいさつをした。



「おぅ。久しぶり」

俺もそのあいさつに軽く応じて、教室へと足を向ける。




夏休み明けの教室は普段以上にざわついていた。


「沢瀬さんに会った?」



「あぁ…。ついさっき会った」




里季が小さく微笑んで少しした後、急に神妙な顔つきになる。


「なぁ、沖。俺…」



「ん?」