この恋、危険物につき取扱注意。

こいつにその場の空気が読めないことなんて、百も承知だ。




「あー、とにかく。あれは忘れろ」




沢瀬がものすごくがっかりした顔で、声高々に反論する。


「えぇっ!なんでですか!?」


「いいから忘れろ。わかったな」




沢瀬がいまいち釈然としない顔で、


「わかりました、先パイの命令ですもんね。じゃあ胸の奥深くにしまっておきます…」


なんてまたわけのわからないことをぶつくさつぶやいて、とぼとぼと教室へ入っていった。




「沖」



後ろから肩を叩かれ、俺は振り返る。