この恋、危険物につき取扱注意。

夏休みが始まって2週間、静かな休みを満喫していた俺に、その悲劇は起こった― 。



夏休みなんていってもすることなんていうのはほとんどなくて、あるとすればそれは積み上げられた課題ぐらいだった。




膨大な量の課題を見ていると、最初からなかったやる気もますます失せていく。

けれども1ヶ月というみんなにとって短い夏休みは、おれにとっては途方もなく長い幸せな時間に思えた。



クーラーも付けてもらえていない自分の部屋で、扇風機の風を顔に浴びながら思った。





あいつがいないだけでこんなに静かなんだな…。



もちろんそれは、いなくてせいせいするといった意味で。