この恋、危険物につき取扱注意。

「…別に。元からこんな顔だよ。ほら、肘出せ」




そっけなくボソッと答えて沢瀬の肘に消毒液を吹き付けると、沢瀬が耳をつんざくような悲鳴を上げた。


「痛っ!いたたた、痛いっ、痛いです先パイ!痛いぃぃーーー!!」




足をバタバタと上下させるたび、そのつま先が俺のひざにがんがんと当たる。



「じっとしとけ!…ほら、終わったぞ」


涙目で沢瀬が、大きなバンソウコウの貼られた肘をさすりながら訊ねる。



「先パイ。…もしかして、心配してくれました?」





手当てが終わった途端にこれだ。

だから手当てなんてしたくなかったのに。