この恋、危険物につき取扱注意。

保健の先生が別のケガ人か病人の所にでも行っているのか、保健室は明かりが点いているのに誰もいなかった。



机の上の開かれたノートパソコンは電源が点いている。


俺は保健室の戸棚を勝手にガサゴソとあさって、消毒液と大型のバンソウコウを手に沢瀬の前に立つ。





沢瀬がぺたんと保健室のイスに腰を下ろして、上目遣いに俺を見つめながらおずおずと言う。


「あのぅ…。怒ってますか?」



「は?なんで」



「だって先パイ、さっきからずぅっとしかめっつらです…」



そう言われて俺は、さっきからずっと眉間に深くしわを刻んでいたことと、何もしゃべっていないことに気がつく。