「美紅…?」 美紅が深くうつむき、先パイ、と細く呼ぶ。 「先パイ、先パイ。大好きです。ほんとは、卒業なんてして欲しくないです。ずっと、側にいたいです。先パイには冗談に聞こえるかもしれませんけど、愛してます。これ以上ないぐらい」 俺は苦々しい表情で美紅の頭を押さえつける。 「…バカ」 「なっ、バカって何ですかっ!」 思わず、笑ってしまった。 幾度となく同じような会話を繰り返したな、と。