この恋、危険物につき取扱注意。

美紅が口をむっとへの字に曲げて、


「バカらしいって何ですか!私はこうやって先パイの卒業を祝ってるんですよ!?」



俺も負けじと言い返す。



「この放送のせいでわざわざ式抜けるはめになったんだ。卒業できなくなったらどうしてくれんだよ?」



藤堂沖、卒業取り消し― 。


冗談じゃない。



こんなシャレにならない事態だというのに、美紅はうれしそうに笑っていた。


「いいじゃないですか。もう1年一緒にいられるんですよ?」


「よくねぇよっ!」


俺は美紅の頭をぐしゃっとかき乱す。



美紅はぐしゃぐしゃになった頭でにこにこしていた。





…ほんの少し、泣きそうな笑顔で。