この恋、危険物につき取扱注意。

ぐだぐだ変なことを考えているうちに、さらに眠くなってきた。




俺がゆっくりとまぶたを下ろしかけたとき― 、





『沖先パーイ!!卒業おめでとうございます!』



いきなり学校中に流れた騒々しいアナウンスに、俺は閉じかけていた目を見開く。



「あいつ…っ」


一体何やってんだ。




俺は式中なのも構わず、みんなの痛い視線をくぐりぬけて体育館を出て行く。




『卒業しても私、ずーっと先パイのこと愛してます!』



再び聞こえた声の方に向かって、俺は全速力で駆ける。



このバカらしい放送を止めるために。