「おつかれ、やっぱちょっと緊張するね」
松崎先生が声をかけてきた。

「そうですね。いつもとやってることは変わらないのに」

「ね。そういえば、同じ小児科だけど立花と組むことってなかったよね?」

そう、うちの小児科は人気で看護師も医者も他の科に比べると少し多い。

それに加えて、救急医の南とかが平常時はヘルプとしてきてくれるので看護師と医者のローテーションは多い。

「はい。あと私自身がベテランの方と組むことが多かったからですかね?」

なぜか私はベテランの方によく気に入られた。だから、
何人かの医師を限定的に回らせてもらっていた。

「え?そうなんだ。優秀だからね立花は」
と私の目を見て堂々と爽やかに言われた。

またまたまた〜っと突っ込みたくなる気持ちはあったが
素直に

「ありがとうございます」

と言っておいた。

「でも、松崎先生大事なこと忘れてますよ?」

「え?」

「私と組まなかったのは、松崎先生がモテるからですよ。
だから、組みたい人が殺到して倍率が高かったんだと思いますけどねぇ〜」

完璧そうに振る舞うからいじりたくなった。

「フフッ、そうかな?」

なんでそこで笑うんだ?自分によほど自信があるのか?

「でも、ペアが立花で良かったよ。面白くなりそう」
とニヤニヤして言われた。

おっと?それはどういう意味かな?っと聞き返そうとしたが流石に…と思ってやめといた。