AM 5:32

「ドンドンドン。ドンドンドン。」


私はうるさいなと起きかけたけど


「いいよ。佐紀は寝てなさい。」


ママの声で安心して眠ってしまった。

やけにうるさいなと思いながら、うつらうつら目をあけて布団の隙間から外を見たのね。


「何、どうゆうことなんですか。ちょっと、放してください。ちょっと…」


異常な空気は眠たかった頭を一気にフル稼働させた。


『ちょっと、なにしてるの!警察呼ぶわよ!』


叫んだ私の目の前に警察手帳を突きつける。

事態が飲み込めない。

小さい彼が叫んでママの腕を掴む複数の男性に体当たりした。


「母さんに触るな!母さんは犯罪なんかするわけないやろ!離せ!」



犯罪――

その言葉が先日のお父さんとの電話とリンクした。