「そっか」

「このまま陽介が藍ちゃんとつき合っちゃったら、きっと私後悔するもん。たとえそうなったとしても、陽介には私の本当の気持ちを知っていてほしい」

「そうだな」

 しばらく黙っていた皐月は、ちらりと不安げな顔で諒を見た。



「フラれたら、私の事放っておいてね。多分、しばらくは立ち直れないだろうから」

「放っておいていいのか?」

「うん。諒にまで迷惑かけたくない」

 諒は、笑みを作った。



「かけろよ、迷惑。友達だろ?」

「友達だからよ」

「友達だから、一緒に泣いてやるよ」