現生徒会メンバーは、五藤先輩、長田先輩の他には、あと一人しかいない。
先輩たちと同じ二年生で生徒会長の、葉月睦先輩だ。
おそるおそる振り向いたわたしは、彼の顔を見上げたまま固まった。
さらりとした黒髪に、しゅっとした面立ち。切れ長の目が、メガネの奥で鋭く光っている。
——あの人だ。
ほら、昨日わたしが膝枕した……。
固まったままのわたしの横を無言で通り過ぎると、一番奥の大きな机のところまで一直線で歩いていき、ひじ掛けのついたイスにゆったりと腰を下ろした。
「君にやってもらいたいことは、ひとつだけだ」
わたしの方を見ると、葉月先輩がゆっくりと口を開いた。
「な、なんですか?」
「膝枕をしてほしい」
……うん?
パパッと五藤先輩と長田先輩の方を見ると、五藤先輩は、必死に笑いを嚙み殺そうとしているのか、顔をそむけて体を小刻みに震わせ、長田先輩は、先ほどまでと変わらぬポーカーフェイスで、ファイルに挟まれた書類に目を通している。
先輩たちと同じ二年生で生徒会長の、葉月睦先輩だ。
おそるおそる振り向いたわたしは、彼の顔を見上げたまま固まった。
さらりとした黒髪に、しゅっとした面立ち。切れ長の目が、メガネの奥で鋭く光っている。
——あの人だ。
ほら、昨日わたしが膝枕した……。
固まったままのわたしの横を無言で通り過ぎると、一番奥の大きな机のところまで一直線で歩いていき、ひじ掛けのついたイスにゆったりと腰を下ろした。
「君にやってもらいたいことは、ひとつだけだ」
わたしの方を見ると、葉月先輩がゆっくりと口を開いた。
「な、なんですか?」
「膝枕をしてほしい」
……うん?
パパッと五藤先輩と長田先輩の方を見ると、五藤先輩は、必死に笑いを嚙み殺そうとしているのか、顔をそむけて体を小刻みに震わせ、長田先輩は、先ほどまでと変わらぬポーカーフェイスで、ファイルに挟まれた書類に目を通している。



