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広々とした生徒会室の正面は、全面がガラス張り。
その窓の前には、重厚な作りの机が、扉の方を向いて置かれている。
そして部屋の真ん中にででんっと据えられた、高級そうな革張りのソファーとガラスのローテーブル。
生徒会室というより、社長室みたいだ。
「え? 君、断りに来たって、それ、本気で言ってるの?」
一人掛けのソファーにゆるく腰かけ、ケタケタ笑っているのは、二年生の生徒会会計・五藤文哉先輩。
ふんわりとした色素の薄い髪に、くりっとした人懐こそうな瞳、そしてその小柄な体格が、小型犬を思わせる。
放課後、ありったけの勇気を振り絞って生徒会室の扉を開けたわたしに待ち受けていたのは、『引き受ける以外の道はない』という現実だった。
「で、でもわたし、会長さんとは会ったこともありませんし。なのに、どうしてわたしが任命されたのかが、全然わからなくて」
生徒会室内には、幸いと言うべきか、会長の姿はなかった。
学園長に呼ばれて、少しの間、席を外しているのだとか。
広々とした生徒会室の正面は、全面がガラス張り。
その窓の前には、重厚な作りの机が、扉の方を向いて置かれている。
そして部屋の真ん中にででんっと据えられた、高級そうな革張りのソファーとガラスのローテーブル。
生徒会室というより、社長室みたいだ。
「え? 君、断りに来たって、それ、本気で言ってるの?」
一人掛けのソファーにゆるく腰かけ、ケタケタ笑っているのは、二年生の生徒会会計・五藤文哉先輩。
ふんわりとした色素の薄い髪に、くりっとした人懐こそうな瞳、そしてその小柄な体格が、小型犬を思わせる。
放課後、ありったけの勇気を振り絞って生徒会室の扉を開けたわたしに待ち受けていたのは、『引き受ける以外の道はない』という現実だった。
「で、でもわたし、会長さんとは会ったこともありませんし。なのに、どうしてわたしが任命されたのかが、全然わからなくて」
生徒会室内には、幸いと言うべきか、会長の姿はなかった。
学園長に呼ばれて、少しの間、席を外しているのだとか。



