生徒会所属膝枕係!?

 葉月先輩を支えながら、三人掛けのソファーまで歩いていくと、葉月先輩はいつものように、わたしの膝枕で横になり、あっという間にすーすーと寝息を立てはじめた。


「あ、そうだ! 前に睦に頼まれてたやつ、ちょっと長田も手伝ってくれる?」

「なんでわたしが……わかったわよ。それじゃあ、ちょっと行ってくるから。水元さん、葉月くんのこと、よろしくね」

「はい。わかりました」


 先輩たちが出ていくと、生徒会室の中がしんと静まり返り……あれっ、なんだかドキドキしてきた。

 今わたし、葉月先輩と二人きりなんだ。

 メガネを外した葉月先輩の頬に、無意識のうちに手を伸ばす自分に気づいて、ぱっと手を引っこめた。


 なにやってるんだろ、わたし。

 わたしは、こうやって葉月先輩の安眠のために膝を貸しているだけ。

 ただの枕の役でしかないの。

 ほら、枕は自分から触れちゃいけないんだから。


「……ちか……一花……ごめ……」

 葉月先輩が、うなされるようにつぶやいている。


 今、『一花』って。

『一花』って、誰?


 ふと気づくと、葉月先輩の額に、大量の汗が浮かんでいた。

 ポケットからハンカチを取り出し、そっと額を押さえようとした瞬間、ばっと葉月先輩が起き上がり、わたしの手を振り払った。