「みんな、来ないね…
…
どーしたんだろ…」
水ノが歌い終わって
気付いたら私と水ノしかいなかった
気マズ…
ひとりごとみたいになった私の言葉を
水ノが拾った
「みんな帰ったんだろ」
かえった?
え、帰った?
「えー!ウソ!
だって、ドリンク取りに…
え、トイレって言ってなかった?」
「どー見ても、カバンないし…」
たしかに…
「え!ホントだ!
失礼じゃない?
水ノが歌ってる途中で…」
「…」
「あ…ごめん…」
わかんないけど
代表で謝った
私は悪くないのに!
むしろ被害者
みんな水ノと私の関係知りながら
ふたりを置いてくなんて!
「吉永、なんか歌えば?」
「え、私はいいよ
私達も帰ろ」
久しぶりに水ノと喋った
「なんか用あんの?」
「用とかじゃなくて…」
会話、続いてる
「オレといたくない…と…」
だって…
そーでしょ
「うん…友達じゃないし…」
「…」
なんで…
なんで黙るの?
水ノだって私といたくないでしょ
そっちが友達断わったんだよ!
「水ノだって
私が来ないと思って来たんでしょ」
隣にいる水ノがどんな表情してるか
気になったけど
見るのがこわくて
前を向いて話した
返事さえこわいけど
「…」
水ノは黙ってた
それもズルいよ
「私が来るの知ってたら
来てないでしょ」
聞き方を変えて2回も聞いちゃった
「…」
今更、気使わなくていいよ
ハッキリ
「うん」て言ってくれれば
すぐ帰るのに…



