「雫月ちゃん久しぶり」
「久しぶり…でしたっけ?」
「毎月きてたのに先月来なかったよね
忙しかった?」
忙しくもなかったけど
みんながメイクとかしてくれて
髪も伸ばしてみようかな…とか
ちょっと思ってた
「なんかタイミング逃して…」
「修学旅行だったんだってね
修学旅行前にハジメ来たよ」
ここの美容院も
水ノが紹介してくれた
小さい時から来てた美容院らしい
「雫月ちゃん、いつも通りでいい?
せっかく伸び始めたから伸ばしてみる?」
「いつも通り短くお願いします」
髪伸ばしたりメイクとか
そーゆーの私にはやっぱり向いてない
水ノ、笑ってなかったし…
洒落にならないくらい似合わなかったよね
「修学旅行、楽しかった?」
「はい」
楽しかったと言えば楽しかった
笹川達と撮った写真は
水ノが撮った
たぶんわざと
自分が写らないように
水ノとの思い出はできなかった
友達じゃないんだから当たり前だ
「水ノ、彼女と上手くいってるんですか?」
「彼女?ハジメ彼女できたの?」
え、知らないんだ
しかも美容師さんに聞くとか
本人に聞けばいいのに…
てか…
聞く必要もないか
水ノが彼女とうまくいってるかなんて
私には関係ない
「水ノ、最近香水とかつけてるから
髪とかオシャレしてたかな…って…」
そんなのもどうでもいい
「いつもと同じで…って言ってたけどね
それより雫月ちゃん
ちょっとメイクしてるよね?
雫月ちゃんこそ彼氏できたの?」
「私は…そんなんじゃなくて…
似合わないですよね」
「そんなことないよ
刈り上げしてても雫月ちゃんはキレイだし
元がいいからメイク映えするよね
あ、今度コンテストがあるんだけど
そのモデル探してるんだ
ちょうど夏休みだし
雫月ちゃんお願いできないかな?」
「コンテスト…ですか?」
「髪の色とかちょっと奇抜になっちゃうけど
ちゃんと直してあげるし
この前、ハジメに頼んだら断わられて…」
「それって男女どちらでもいんですか?」
「ハジメもわりと整ってるし
メイクしたらそれなりに見えるかな…って
今年のテーマ『ユニセックス』だから
中性的なモデルさん探してるんだよね」
私も男寄りだもんね
「雫月ちゃん、ぜひお願い!」
「はい…私でよかったら」
断われなかった



