ふたりの間を風が抜ける
気分がよくなったらみんなに合流しよう
「水ノ、みんなと行かなくていいの?」
前を見たまま水ノに話し掛けた
「んー…」
「修学旅行で彼女に会えないとか
寂しいね」
「…」
答えないんだ
だいたい
彼女の目がないから話し掛けてくるとか
どーなの?
またスパイにチクられても知らないからね!
「なんか、吉永、雰囲気変わったね」
「変わってないよ
私は…」
水ノが変わったんじゃない?
あ、変わったかもね
水ノのこと無視してた
それはお互いさまでしょ
「吉永、最近
メイクとかしてんじゃん
髪も伸ばしてんの?」
「え!?」
見てたの?
学校だと目も合わないのに
「メイクも髪も
似合ってないって笑っていいよ」
別に水ノのためにしてないし
水ノに迷惑かけてない
「…」
水ノの声しない
きっとお腹抱えて笑ってるんでしょ!
気になって水ノの方を見てしまった
水ノは笑ってなかった
「こっち見んなって言っただろ」
「笑わないの?」
「別に、面白くない」
そっか…
友達じゃないもんね
私も面白くない
「吉永は、変顔の方が似合ってる」
「なに、それ…
もぉ変顔見せる相手いないし…」
「笹川達は?」
「笹川?
別にそーゆー仲じゃない」
「そーゆー…ってなんだ?
なに?意識してんの?」
「意識?」
「それでメイクとかしてんのか」
「メイクぐらいみんなしてるでしょ!」
別にしたくてしてるわけでもないから!
意識ってなに?
男子うけとかぜんぜん無縁だから!
「一緒に映画行くんだろ」
知ってるんだ
「水ノに関係ない」
目を合わせないで話す
言葉が空中で交わる
そんなの…
そんなのヤダよ
「私、行くね
みんなのところ行く」
水ノはやっぱり友達じゃない
もぉ友達じゃない
思い知った
「じゃあ、オレももう少ししたら行く」
水ノを置いて
〔みんなこどにいる?〕
メッセージを送りながらベンチを立った
〔雫月だいじょーぶ?〕
〔復活?〕
〔ネコのおみやげのとこだよ〕
〔来れる?〕
ん?水ノ?
なんでいたの?
「水ノ、もしかして具合悪いの?
バス酔った?」
振り返ってしまった
「いや…」
「じゃあ、なんで?」
笹川達とも友達やめたとか?
でもさっき一緒にいたし…
「オマエのこと、心配だった
具体悪そうだったから…」
「え?」
「吉永がなんでもないなら良かった
…
先行っていいよ
一緒に行動すると
またチクられるから…」
は?
「水ノのバカ!」
私はオマエのせいで具合悪かったんだ!
私のことなんて気にしないで
彼女にお土産でも買ってろ!
雰囲気変わったとか余計なお世話!
水ノだって最近香水とか…
アレ…?今日は匂いしなかった
私、あの匂い嫌いだから
私のことなんて心配しなくていいよ
友達じゃないじゃん



