「みんなと行かないの?」
え…
後ろから声がして
振り向いたら水ノがいた
「…なに…?」
友達じゃないのに話しかけないでよ
水ノが隣に座った
友達じゃないのに隣に座らないでよ
「吉永、みんなと上手くいってないの?」
「え!?いってるよ!
心配されなくても大丈夫だから!」
「シー!」
つい大きい声が出てしまった
「水ノが話し掛けるから…」
「こっち向くな」
顔も見たくないってこと?
「そっちが話し掛けてきたんでしょ!」
嫌なら話し掛けないでよね!
「この学校スパイいるから…」
「スパイ?」
「ふたりで話してたとか
告げ口するヤツいるから…」
水ノは真っ直ぐ前を見て話してた
この横顔、久しぶり
「告げ口って…あぁ、彼女にね
じゃあ、無理に話さなきゃいいじゃん」
友達やめるって自分が言ったんだよね?
だったら話し掛けてこなくていいよ
「無理でもないよ…」
水ノの横顔がそう言った
私も真っ直ぐ前を向いた
水ノは隣にいるのに
すごく遠くにいるみたい
すぐ近くにいる人が
すごく遠くに感じる
友達やめようって言われた日から…



