この度、友達やめます。


このままベッドに押し倒されてもいい

そんな覚悟で言ったのに…



「吉永、ごめん…」



水ノに謝られた



やっぱり…

水ノはもぉ私に気がない


好きだったとか
緊張してとか

それは大人のフォローだったんだよ



なのに…

ちょっと期待してしまった

バカだ、私



本気だったのバレたかな?

ウザかったかな?

重かった?

ホントは彼女いて
ちょっと遊んでやろうって
思っただけだったのかもしれないのに…



「うん…大丈夫
私、帰るね
先に出る
水ノゆっくり支度して…」



大丈夫

そう言う人は
だいたい大丈夫じゃない



涙を堪えながら
バッグに荷物を詰めた



「吉永、夕方まで一緒にいようよ
何も予定ないんだろ?
空港まで送るよ」



もぉ期待させないでよ

もぉいいよ



「いいよ…
ひとりで時間潰す」



髪伸ばしてよかった

髪で顔を隠した



「せっかくだから一緒に朝食食べよう
ここのホテル美味しいらしい」



「水ノ、食べていきなよ
私、お腹すいてない」



「オレひとりでとか寂しくね?
吉永もせっかくこっち来たんだし…」



「久しぶりにみんなに会えてよかった
じゃ…」



バッグを持ったら
水ノに手を掴まれた



なに?

もぉいいよ



もぉ期待しないよ



離してよ



髪で涙を隠した

こんなために伸ばしてたんじゃないのに…



「吉永と、まだ一緒にいたい」



水ノの手は
あの時を思い出させた



付き合ってた時

手を繋いでくれた



優しかった



過去系じゃなくて
今日も優しい



手も、声も…優しい



髪の隙間から
水ノと目が合った



優しい顔



別れる時も
そうだった



別れ話じゃないみたいに
また友達に戻ろうって言ってくれた



転校する時も
またね…って言ってくれた



だから私と水ノは
今もこうして再会できてる



私、水ノが大好きだった



今も

今までずっと好きだったんだ



「吉永…ごめん…
どこから謝ればいいかな…」



私の涙に気付いた水ノが謝った



「なにも、謝らなくていい
水ノは、悪くないから…
私が勝手に…」



期待して

期待がはずれて

泣いただけ



「吉永…
水ノバカだな…って言ってよ

そしたらオレが
吉永もバカだな…って…
あの時みたいに言うから…

悪い意味でも、いい意味でも
オレたち変わった部分もあるけど
変わらない部分もあるよ

うん、だから…
何言ってんだろ、オレ…ごめん」



女の人を口説ける男とは思えないくらい
水ノ、何言ってるかわかんない



けど…

それが水ノだ



でも…

そんな水ノが
私は好きなんだ



「水ノ…バカ…」