「ハイ!」
水ノがアイスを持って
部屋に戻って来た
「こんなに食べれないよ」
「オレも食べるし…
遠慮なく食べて!
奢りだから」
水ノ、いつもより少し離れて座った?
気のせい?
「水ノ、花火行かないつもりだった?
笹川、花火買ってくるって言ってたよね」
「言ってた」
水ノがアイスを頬張りながら言った
なんかテンション低くない?
「水ノ、ホントは行きたくないの?」
「楽しいだろうけど…」
行きたくないんだ
「楽しいよ、きっと」
…
なんだ
この沈黙
いつもは嫌じゃないのに
いつもは気まずくないのに
今日は
なんか違う
「水ノ、私のこと避けてる?」
「え?なんで?」
「なんか…」
絶対、離れて座ってる
「じゃ、そっち行っていいの?
吉永の近く、行っていい?」
「うん…別に…」
「なんか、吉永
スゲー警戒してるからさ…」
「え!?そんなこと…」
「ないならこっち来いよ」
ドキン…
「え、うん…」
警戒してるとか
緊張してるとか
水ノに悟られるの恥ずかしい
平気なふりして水ノに近付いた
「もっと…」
「もっと?」
それじゃいつもより近くない?
「オレから行っていい?」
「え…」
吸った息と一緒に
水ノが私に近付いた
ドキン…
触れる
私の髪を水ノが撫でた
ドキン…
ドキドキして熱くなる
でも…
もっと近くで
もっと触れてほしいと思う
水ノ
好きだよ
「あ…アイスとけちゃう」
私の手のアイスがとけて
指に伝った
ティッシュを取ろうとしたら
水ノが私の指を舐めた
ドキン…
「水ノ…好き…」
ドキン…
ダメ、息ができない
「なに?そんなにアイス好きなの?」
「う…うん…」
「オレも好きー」
そう言って水ノは
私の手のアイスを全部食べた



