「アイス、とりあえずコレでいい?」
「水ノ、ハヤ!」
「吉永待ってるかな…と思って急いだ」
水ノが髪の滴をタオルで拭きながら言った
「ありがと」
水ノからアイスをもらった
「まだ食べたかったら言って
また取りに行ってくる」
「うん、いただきます
あ、コレ期間限定のやつ」
「そうそう
吉永食べたいかな…って思って」
「え、わざわざ買ってきてくれたの?」
「いや、金ないって…
妹のアイス」
「えー!
怒られちゃうよ」
「大丈夫
またあとで親が買ってくるって…
うまい?」
「うん、おいしい」
「ひとくちちょーだい」
「うん…」
水ノが私が持ってるアイスをかじった
ドキン…
キスされるみたいだった
意識しすぎ
「んー…
オレはやっぱり定番が好きだ」
好き…
ドキン…
近距離で水ノと目が合った
「あ、あのさ
水ノのお母さんて
私達が付き合ってるの知ってるの?」
焦って咄嗟に聞いてしまった
「うん
さっき言った
めっちゃ驚いてた」
水ノは緊張感なく笑った
緊張してるの私だけか…
「別に隠してたとかじゃないけど
言うタイミングなかったし
言うといろいろ聞いてくるし
たぶん後で様子見にくると思う
そーゆーのウザいし…」
私も親に言ってないや
出掛けるのも誰と行くか聞いてきそうだし
帰りが遅かったりするといろいろ言われそうだし
お兄ちゃんに冷やかされそうだし
「だから安心して…
…
妹の部屋もすぐ隣だし
オレの部屋もよく勝手に入ってくるし
…
緊張しなくていいよ
なんもしないから…」
バレてる
緊張してるの
「家族いるのわかってたから
吉永誘ったんだ」
そーなんだ
最初から何の下心もなかったんだ
ドキドキしてたの私だけだ
ゴクン…
麦茶で気持ちを鎮めた
トントン…
「ハジメ?」
「あ、早速きた
なに?」
「ハジメ
ニイナと一緒にアイス買ってくるね
どーしても今食べたいんだって…」
ドアの隙間からお母さんの声がした
「わかったー」
期間限定、私が食べちゃったからだ
「あの、スミマセンでした!」
「いいの、いいの
吉永さんゆっくりして行ってね♡
よかったら夕飯も食べて行って」
「私たち、また出掛けるのでおかまいなく」
「あら、そーなの?
元気ね♡
じゃ、すぐ帰って来るから
ハジメなんかあったらLINEしてね」
「なんもねーから…」



