入学式が終わり、今日から授業が始まる。


柚菜「今日から中学生かぁ」


制服に袖を通しながら、鏡の前に立ち髪型を気にする。変わり映えのないメンツなのに、なぜか緊張し、胸がドキドキしていた。



小学5年で転校した柚菜は、まだ見たことのない顔がいたりする。


ピンポーン


柚菜「あっ!紗弥《さや》だ!」



足取りも軽い


ガラガラガラ



玄関を開けると、少し照れくさそうに笑う紗弥が立っている


肩より少し短い髪がとても似合う、清楚系の可愛らしい女の子で、凄く優しい。転校してすぐに仲良くなった。



紗弥「おはよう!」


柚菜「おはよう!なんか痩せた?」


紗弥「そう?柚こそ痩せたんじゃない?」



制服を着ると、少し痩せて見えるのは、制服マジックだろう。


別に中身なんかたいして変わらないのに、制服を着るだけで少し大人になった気がするのは何故だろう。


歩きながら、他愛もない会話で盛り上がる。


小学生とすれ違う


柚菜「ランドセルとか懐かしい」


紗弥「いやいや」


柚菜「やっぱり私達は、中学生ですから、あの子達より大人なんですよ?紗弥さん?しっかりお手本になりましょう?」


紗弥「はい!そういたしましょう!柚菜さん」



顔を見合わせて笑う二人



見慣れた街が、いつもとは違って、少しだけ新鮮に見えた