アイルくんはぱっちりしたおめめのかわいらしい王子系男子。
 学園のアイドルでモテモテなのに、他の女の子には目もくれず主人公に一途。
 主人公のことをとろけるような甘さで愛してくれる、極甘男子なのです。


「てかそのアイルくんってさ、うちのクラスの王子に似てない?」


「あ、噂をすればだよ」


 ショートカットのボーイッシュな女の子は、中学から一緒の若菜(わかな)ちゃん。


「ほんとだ」

「……あ」


 若菜ちゃんが指差した先には、


「――紅ちゃん!」


 私を見つけるとパッと明るくなるかわいい笑顔。

 おめめがぱっちりしていて童顔で、でもアイドルみたいにかわいい彼は少しアイルくんに似てる。


「おはよう、紅ちゃん」

「お、おはよう」

「今日はツインテールなんだ。かわいいね」

「……っ」


 かわいい笑顔で甘い言葉を言う彼は、同じクラスの九竜(くりゅう)藍良(あいら)くん。

 どういうわけか、同じクラスになってからよく私に話しかけてくれる。

 男の子なのにスイーツみたいな甘さを持ち、女子の間で密かに「王子」と呼ばれている。


「紅ちゃんはいつもかわいいね」


 うう……っ。


「僕も一緒に学校に行ってもいい?」

「い、いいけど」

「やったあ!」