バスの中、総長様から逃げられない


「なんて顔してるの?」


ドギマギではち切れそうな胸を抑える私の耳に届いたのは、東条くんの優しい声。



その後、私の頭にふわっとかけられたもの。

それは……制服のブレザー?



遮られた視界をクリアにするため、頭に掛けられたブレザーから目だけを出す。



これは東条くんのものだ。

ブレザーの胸元に、生徒会長バッチが光っている。



意識が持っていかれそうになるのは、心地いい匂いが香っているからで。

私、この匂い好きだなぁ。

東条くんの匂いに包まれているだけで、こんなにの安心するんだなぁと驚いてしまう。



でもなぜ、私の頭に制服なんかかけたの?



「七瀬。俺の制服で、顔隠しといて」