バスの中、総長様から逃げられない


それにしても初めて見たなぁ。

東条くんが女子に対して、子供みたいに笑うところ。



普段は異性に睨みを利かせて


『女子は俺に近づくな!』


拒絶シールド、バリバリバチバチって感じだから。



私はもう、東条くんに捕らえられてはいない。

総長様から逃げるなら、今がチャンス。

なんとかバスの通路に向かって……



私は自分の体を、極力縮める。

東条くんの前の狭い隙間を、何とかしてでも通り抜けようと試みたものの



……うっ。



私の考えは、どうやら浅はかだったみたいです。

東条くんは笑いをやめ、落ち着きを取り戻した後でした。



バックを抱えて逃げ出そうとする私の前に立った東条くん。

悪だくみを考えていそうな顔で、ニヤリ。

笑みを浮かべながら、私を見下ろしてきます。