「そろそろ戻る?田辺が待ってるんじゃない?」


「…うん、そうだね。」



そうは言ったけど、とても名残惜しくて……。

若葉と二人空を見上げた。


まだ肌寒さが残るけど、気持ちのいい快晴。



「……なんかさ、卒業したくなかったね?」


若葉が呟いた。


「でも、また先輩と同じ学校行けるじゃん。」


「それは嬉しいけど、明日香と離れるの……嫌だなって。」


「……そうだね。……でも降りる駅は一緒だから、朝は一緒に電車乗ってこ?」




卒業ってこういう事なんだ。


そんな風に実感して、なんだか切なかった。