私はというと、二人がリビングに入っていくのを、ぼけっと見ていた。 ……望君? ……雅さん? しかも雅さん、なんだか落ち着いている。 "初めて彼氏の実家に遊びに来ました"って緊張感なんか、感じられなかった。 かなり綺麗な人だけど、 あれは、かなり年上? ――いけない! 私もリビングに行かなくちゃ。 慌てて追いかけると、雅さんがお土産であろうケーキの箱を差し出している場面だった。 ケーキ……雅さんは買えたんだ。 パパは買えなかったのに。 そう思うと、なんだかおかしくなってきた。