「明日香!ごめん待たせて。」


顔を上げると純ちゃんのいつもの笑顔がそこにあった。

なんだかとっても嬉しくて、何も言えなくて、ただ首を横に振った。


すると純ちゃんは安心したような顔をして、私に小さな袋を手渡した。


「・・・開けてみて?」


そう言う純ちゃんの耳が赤くなっている。

売り場から走ってきてくれたから?


「ありがと。」


お礼を言ってから、受け取った袋を開けてみた。



中には、お守りが二つ入っていた。

金のお守りと銀のお守り。


これって・・・・・・”愛のちかい”?



昨日私が調べたパンフレットに載っていた。

金色を女性が、銀色を男性がつける
”愛のちかい”というお守り。

恋人同士で買っていくのが多いって。


すると、純ちゃんはその袋の中から金色のお守りを取り出し

「これが明日香の。」

そう言って私に手渡す。


「で、こっちが・・・俺の。」



・・・・・・え?

そう言って恥ずかしそうに微笑む純ちゃんの手のひらには、銀色のお守りがのっていた。