「黒炎君、どこまで行くの?」


黒炎君は店を出てから、こっちを向いてくれない。でも、手は握ったままだ。


だけど、帰ってる方向はどう見ても、家じゃない。


「朱里。そんなに飢えてるなら、今からやろう」


「……へ?」


黒炎君の言ってる意味がわからなかった。

だけど、その言葉の意味が馬鹿の私でもわかる瞬間はすぐそこまで来ていた。


「ここって……」


手を引かれるまま連れて来られたのは、夢のお城だった。


ーーー


受付をさっさと済ませた黒炎君は部屋に着くなり、服を脱ぎ出した。


「ちょ、黒炎君!?///」


上半身裸になった黒炎君を見て、私は両手で自分の目を隠す。
だって、そうしないと目のやり場に困るから。


ほどよくついた筋肉が……って、一瞬でそこまで見た私は変態か。


「朱里。お前も脱げ」


強引に服を脱がされそうになる私。