今までになく聴力が低下していた事、このままいくと遠くないうちに聴力を失うという事を簡潔に文面にして送信する。優武の返信が怖い。布団に蹲ってしばらくスマホの画面を見ないようにした。耳も塞いでいないのに通知音が聞こえない。だから優武の返信がいつ来たかなんてわからない。このまま寝て、朝になったら返信しよう。

 眠れない。何時間経ったのか。外は白む気配すらない。夜明けはまだまだ先か。スマホの通知ランプが明滅している。気になって仕方がない。絶対に優武の返信が来ているだろう。

……朝読もうって決めていたのに。

 優武の返信メッセージを見て唖然とした。

『今から会えませんか?』22:24

『信愛さんの家の前で待っています』22:42

『今危うく通報されそうになりました( ´艸`) 信愛さんの家のすぐ近くの公園で待っていますね』23:54

 ( ´艸`)じゃない! それならすぐ帰りなよ! 思わずスマホに突っ込みを入れて慌てて現在時刻を確認する。4:34。なんという事だ。