「飛香、」
寝起きの菱田くんは、いつもちょっと厄介。
「こっち来て」
私が大人しく菱田くんの目の前まで足を進め、隣にちょこんと座ると、菱田くんは私を抱きしめる。
「このままサボろーよ」
「ダメだよ」
「なんで?」
耳にダイレクトに声が流れてきて、ドキドキする。
「委員長だから」
「つまんね」
「つまんなくて結構…」
私が言い終わるのを待たずに、菱田くんは強引にキスをしてきた。
寝起きの菱田くんは、キス魔になる。
受け入れる私は、呼吸の仕方もわからなくて、いつも必死。
そして、響いた予鈴と共に、ようやく解放された。
「さ、早く行くよ、委員長」
満足そうに笑う菱田くんに、ドキドキする。
その度に思う。
あの時の気持ちは、修学旅行マジックじゃなかったんだと。
これは、修学旅行からはじまった、私と菱田くんの物語。
そして、これからも続いていく、二人の恋の話。
end



