「菱田くん!!」
「いらっしゃいませー…え?」
たどり着いたのは、修学旅行の初日に菱田くんと来た定食屋さん。
絶対にここしかないと確信して扉を開けたもんだから、中に居た坂井さんがとても驚いた顔をした。
「誠志郎の……確か、えーっと、飛香ちゃん?どうしたの?」
店内にお客さんは居なくて、菱田くんの姿も見当たらなかった。
「え、あ…、あれ?菱田くん、来てませんか?」
私は店内をキョロキョロしながらそう聞くと、
様子を伺うように私の前まで来た坂井さんは「誠志郎?来てないけど、何か約束してた?」と続けた。
「いえ…」
ここに居なかったら一体どこに行ったんだ。
私は「すみません、お邪魔しました」と、頭を下げて再びお店を出た。



