静かに唇を離すと、美咲はどこか不満げな表情。


「あれ。何その顔」

「べ、別に……」


プッ……

可愛すぎ。


やっぱり、おでこじゃ足りなかったか。

正直、オレも足りない。


けど、美咲は一応病人だし。

オレなりの配慮のつもりだったんだけど……。



そして。

むくれる美咲の髪を優しく撫でながら、そっと耳元で囁いた。





「続きはあとでたっぷり……な?」





時間はまだたっぷりある。


これから先、永遠に続くであろう、オレたち二人の時間が――。





fin