「な、なんだ。だったら最初からそう言ってよ! ほら、宏太、戻ろ」 「…あぁ。 じゃあな、美咲」 パタン。 ドアの閉まる音が、やけにうるさく響いた。 「……っ」 瞬間、それまでこらえていたモノがいっきにこみ上げてきて。 声を殺して、私は泣いた。