好きな人と一緒に告白現場に遭遇しました。

 修学旅行一日目が終わり、同室の四人でババ抜きをした結果、パシリをする羽目になったわたし、神崎瑞穂。

 腕の中には、冷たいペットボトルが四本。

 心臓のドクンドクンっていう鼓動で、ペットボトルの中の液体が波打ってしまいそう。


「今そっち行くの、マズいから」


 わたしの耳元で小声で囁くと、くいっと顎で曲がり角の先を指し示す宮部くん。


 覗いてみろってこと?

 そういえば、なにやら話声が聞こえてくるような……。


 そーっと曲がり角の先の様子を伺うと——。


 えっ……沢くんと、吉見さん!?

 わたしたちのクラスの、凸凹クラス委員コンビだ。

 沢くんは、明るい茶髪に着崩した制服姿で、いつもヘラヘラ笑ってて、ちょっと……いや、だいぶチャラい感じの男の子。

 そんな沢くんに対して、真面目でしっかり者というイメージの強い吉見さんは、いつも結構厳しいこと言っているように見えていた。

 ……んだけど。今のこの状況って……。