姐さんって、呼ばないで



「ホントに査定するつもりじゃんっ!」
「……みたいだね」

今日の一限目のLHRで球技大会の種目別メンバーを決めることになったのだが、何故かやる気スイッチが入った仁さんは、残りの時間と休み時間などを使って、『ベストメンバーを構成する』と言い出した。

経験者を中心に運動部の子たちは主力メンバーとして割り振られ、運動が苦手な子たちの実力を把握するというもの。

・パスされたバスケのボールを走っている人にパスできるか。
・サーブされたボールをレシーブできるか。
・パスされたボールを印の場所までドリブルできるか。
・ソフトボールを捕球し、一塁にいる人に送球できるか。

どの球技でも基本的な動作を意味していて、個人の能力を見極めるらしい。

山川(やまかわ)はサッカー、奥田(おくだ)はバスケ…」

次々とメンバーが割り振られ、ガチメンフルラインナップという所だろうか。

「小春はソフト?」
「…そうみたい。あとドッジボールにも」
「だよね~♪あんだけ当てれれば、経験者と言っても過言じゃないよ」

夏休みに桐生組にお世話になって以来、仁さんや組の人たちとバッセンに結構通ってたから。
バスケやバレーよりは自信がある。

「よーし、今日から時間のある時に練習すんぞっ!」
「練習ですか?」
「あったりめぇだろ。俺の辞書に、負け戦は()ぇ」