詠ちゃんの言う通り、GWに入って会わなくなったせいか、無性に気になってしまう。
そんな時にタイミングよくメールが来たら、そりゃあ動揺するもんだよね。
「詠ちゃん、私と彼が超ラブラブだって言ってたけど、どんな風にラブラブしてたの?」
「えっ、それ、聞く?」
私の質問に詠ちゃんはやれやれ的に呆れた顔をした。
「あまり人前ではベタベタするような人じゃないけど、独占欲は相当強いと思う」
「……独占欲」
「学校行事の写真は絶対欲しがるし、イベント事はしっかり覚えてるし。あとは小春のために二時間も並んで期間限定のどら焼き買って来てくれるような人だよ」
「ッ?!」
「大好きなんだろうね、小春のこと。好きすきオーラが出まくりだもん」
「っっ……」
知らなかった。
いや、忘れてるだけなのかもしれないけれど。
そんなに想われていただなんて。
なのに、私は彼のことを綺麗さっぱり忘れてしまっている。
「私はどんな感じだったの?」
「どんな感じって?」
「例えば、好きすき言うような感じだった?」
「う~ん、人前では口にしてなかったけど、手を繋いだり、頭撫でられたりしたら、幸せそうにしてたよ」
「……そっか」
人前でも手を繋いだりしてたんだ。
当たり前か。
幼馴染だし、許婚だし、両想いなら。
って、もしかして、もっと凄いこともしてたんだろうか?
「詠ちゃん」
「……ん?」
「その、……なんていうか、……私と彼、手だけ?」
「……え?」
「その……、手を繋ぐ以外にもしてたっぽい?」
「……プッ、ハハハハハッ」
詠ちゃんに爆笑されてしまった。



