姐さんって、呼ばないで


クリスマス当日。
母親に叩き起こされ、寝ぼけまなこで朝飯を食う。
小春は既に食べ終わっているらしく、部屋でデートのために準備しているらしい。

「仁、十八時頃までに帰ってくればいいからね」
「はいはい」
「お金は持ってるんでしょ?」
「あるよ」
「ずーっと屋外だと冷えちゃうから、ちゃんとどこかに入って暖取りなさいよ?」
「っせぇーな。ガキじゃあるまいし、わかってるよ」

昨日から小春が泊まりに来ていて、母親のテンションがヤバいほど高い。
毎年恒例のクリスマス会?のような食事会が自宅の大広間で行われることもあって、朝からギャーギャーうるせぇ。

「若」
「……ん」

テカが淹れてくれた茶を口に含む。

「今、何時だ?」
「もうすぐ、十時になりやす」

やべっ。
小春との約束が十時だった。

「もういいんすか?」
「あぁ、片しとけ」
「うっす」

身支度するために廊下を猛ダッシュ。

「兄貴っ、なんかあったんすか~ッ?!」
「話しかけんなっ!」

すれ違う鉄を軽くあしらい、自室へと駆け上がった。



「三分遅刻」
「っ……ごめん」
「しょうがないなぁ。寝過ごしたんじゃないから許してあげる」
「……サンキュ」

お団子に髪をアップしていて、フェミニンなスカート姿がよく似合ってる。

「どう?」
「可愛いっ」
「それだけ?」
「……」

人前じゃあまり甘えたりしない小春。
部屋に二人きりだからなのか、朝から(十時すぎだけど)甘えモードだ。

「旨そっ」

ぷるっぷるに仕上げられた唇にチュッとキスを。

「もうっ、せっかく綺麗に塗ったのにっ」
「おねだりしたんじゃねぇの?こんな旨そうな唇してたら、キスだってしたくなるっつーの」
「っっっ」

早いとこ出掛けねぇと、引き籠りモードに切り替わりそう。