姐さんって、呼ばないで



終業式の日、放課後。
クラスメイト達が次々と帰宅してゆく。

「小春ちゃん、詠ちゃん、また来年ね~」
「美路ちゃん、お土産楽しみにしてるね♪」
「いーっぱい買って来るからね!」
「美路ちゃん、よいお年を」

おばあちゃんの家が北海道にあるとかで、今夜の便で北海道に向かう美路ちゃん。
冬休み中、北海道で過ごすらしい。

「小春、用意出来たらメールして」
「うん、分かった」

鞄を怠そうに手にした彼は、鉄さんと共に教室を後にした。

この後、詠ちゃんとランチ&ショッピングデートをする予定。
夕方に帰宅し、身支度を整えたら、彼の家にお泊りに行くことになっている。
というよりも、冬休みの間、彼の家で過ごすことになっている。
忙しい両親を気遣い、彼からうちの両親に話してくれたのだ。

「さてと、じゃあ、うちらも行きますか!」
「うん!!」

私は詠ちゃんと、クリスマスイヴのデートへと繰り出した。



「詠ちゃん、見て~♪このポーチ可愛いっ」
「あ、結構カラバリあるよ」
「私、オレンジにしようかな」
「じゃあ、私水色」

リボンとラインストーンでデコレーションされたポーチ。
お気に入りの雑貨店のクリスマス限定ポーチらしくて、他校の女子も手にしている。

「お互いにプレゼントし合うみたいに交換しない?」
「あ、いいね!」
「中に何か入れるってのはどう?」
「え、この中に?」
「そそ、今から選んで、カフェで交換しようよ♪」

詠ちゃんの悪戯心が刺激されたらしい。

「分かった。じゃあ、時間決めて選ぶってことにしようよ」
「いいね~」
「じゃあ、今から十分ね」
「短っ」
「十分あれば充分でしょ」
「まっ、いいか」
「じゃあ、いくよ~?よーい、スタート!」

スマホのアラームをセットして、私たちは店内を別々の方向へと。