【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。






「寝る前もそう。俺の飲んでたココア一口もらってったけど…」


「…あ」





そういえば、そうだ。
あたし、「一口ちょーだい」とか言って、ヒヨのココア奪って飲んで…。




あれも、間接キス?
…なんで気づかなかったんだろう、あたし。





「俺、ほんとに男として見られてないんだね」


「…え?」


「羽依にとって、俺はまだ弟?」





暗くても、よく見える。
至近距離で、ヒヨの瞳が揺れてる。




…ちがう。
再会してから今まで、ヒヨにドキドキしっぱなしだったじゃん。





「……ヒヨは、弟なんかじゃない」


「…じゃあ、なに?」





そう聞かれると…なんだろう。