な…。
なんでこんなこと、ナチュラルに出来るの?
やっぱり女たらしでしょ、ヒヨ。
…って。
言いたいことは山ほどあるけど、ドキドキしすぎて声が出ない。
「ん…一応、消毒して絆創膏貼っとくか」
救急箱を取りにいくためにあたしから離れたヒヨ。
あたし、へなへなと床に座り込んだ。
…まだ、指にヒヨの口の感触が残ってる。
「…なにしてんの? 怪我したのがそんなショックだった?」
戻ってきたヒヨが、力なく座り込むあたしを見て聞いてくる。
そんなんじゃないよ…。
もっと重大なこと。ヒヨは気づいてないの?
咄嗟の判断とはいえ、年頃の女の子の指…舐めたんだよ?
あたしに合わせてしゃがんだヒヨは、救急箱を開けながらぼやく。
「大丈夫だって。誰でも怪我くらいあるよ」
だから違うのに…。
相変わらずあたしを子供扱いするヒヨは、そんなこと知ったこっちゃない…らしい。



