「なぁ、ほんとに大丈夫?」
「うん!」
きゅってエプロンを後ろで締めた。
やたら心配そうな顔をする保護者みたいなヒヨを横目に、具材準備。
せっかくの夏休みだし、あたしがご飯作ってあげるよって息巻いてキッチンに立った。
あたしも女子だからね。
たまにお母さんの料理手伝ったりしてるし。
ヒヨの胃袋をつかんじゃう。
作るのはオムライス。
ちゃっかし得意料理で挑む。
やっぱり失敗したくない。
「怪我すんなよ」
「もう。しないって」
こう見えても15歳だからね。
大人の女性まで秒読み。
包丁、とんとん。
にんじんと玉ねぎをちいさく切って…。



