【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。









──ぱちぱち。




数回瞬き。
長い眠りから覚めたみたいな感覚。




白い天井。
白いカーテン。
それから…。





「ん、起きた?」


「……あれ」





カーテンをめくって中に入ってきたのは、ヒヨ。
あたしの幼馴染。
つい二か月前10年ぶりの再会を果たしたばかりの…。




…なんで?
ていうか、ここ保健室?




どうしてこんなところで寝てるんだっけ…。
えーっと。




上半身を起こして考えていたら、ベッドのスプリングが軋んでヒヨがあたしのそばに座った。





「試合中にあんなぼーっと出来るとか、もう才能だろ」





試合中…?
あっ、そうだ。