【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。






あたしの隣に腰をおろしたヒヨ。
試合、まだなのかな。




右半分で行われているバスケの試合をなんとなく眺めながらぼーっとする。





「いつもの友達は?」


「琴音のこと? 育吹がサッカーだから、グラウンド行ったよ」


「ふーん」





普段、育吹のほうが愛が重そうに見えるけど、実は琴音もべた惚れなんだよね。



たぶん、バレーの試合がはじまったら育吹もこっちくる。





「あのふたり仲いいよな」


「うん。超ラブラブ。いいなぁー」





幸せそうな琴音見てたら彼氏ほしくなるけど、毎回琴音みたいな恋愛はできないんだよね。




”初恋を忘れるための埋め合わせの恋愛”をしてるからかな。




隣に本人いるけど、それでも初恋を忘れなきゃいけないの。
だって…多分もう叶うことないし。
時効だし。知らないけどね。