『羽依ちゃん』って呼んでうしろをついて歩いてたときのこと思い出してた。
親同士が元々仲が良くて、半ばノリ的な感じでふたりともの名前に“依”って漢字を入れたらしい。
だけどそれのおかげで、こうして引き逢えてるまであるな…。
いつだって俺のこと優先で、俺にとってはヒーローみたいだった羽依。
そのうち、俺が羽依のことを守れるようになりたいって思うようになってた。
だから『大きくなったら迎えに行く』なんて宣言した。
……なぁ、言った通り迎えに来たけど。
お前の中では、俺はまだガキなの?
大きくなりきれてないの?
弟みたいな存在なの? 俺。
「ヒヨ」
俺の名前呼んで、目を細めて。
「ちょっとカフェ寄ってかない?」
愛おしい提案。
俺がのらないわけない。
なぁ、羽依。
俺、お前のこと大好きだよ。
どうしたら俺のこと見てくれんの?
これ以上、なにしたらいい?