【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。






結局。一日中べったりだったな…。




見てるのもキツかった。
一応初恋の人だしね。
女の子にチヤホヤされてるの、あんま良い気はしないんですよ。





「はぁ…」


「羽依、またため息」





サッと突っ込まれたね。
スマートだね、葵。



今日は学級委員の仕事ないらしい葵と、放課後勉強会。



図書室、ほぼ貸切状態。
図書委員のひとしかいない。




「幸せ逃げるよ」


「…もう手遅れ…」




だらーんって机に項垂れる。
もう気力ないよー…。




朝はあんなに幸せ気分だったのに!
…原田さんのせいにしたくないけど、そうするしかないな。





「今日は勉強モードじゃない?」


「…んー、そうかも」


「ま、そんな日もあるよね」



教科書をパタンと閉じた葵。
優しい言葉が身に染みる…。