【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。






「あ、そうだ、羽依も」


「へ?」




あたし?
…あたしもって…嫌な予感。





「日依が呼んでる」




うん。やっぱりね。
ぜーんぜん想定内。





「またぁ?」



って声を出したのはあたしじゃないよ。
琴音。



うわ、疑ってる目してる。
面倒ごとに巻き込まれそうな予感。




「ときどき一緒に帰ってるけど…ふたりってどういう関係なの?」




聞かれると思ってた。
避けては通れない道だよね。
仕方ないね。




でも、今日だけ逃げるよ。
許して、琴音。





「ふたりとも、またねん」


「あっ、ちょっと羽依ちゃん!」





幼馴染で、同じマンションに住んでて…。
もうちょっとだけ、内緒にしとく。
理由は特にないけどね。