【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。





それからは毎日学校に来るようになって、先生も驚いてた。



だけど休み時間のたびにあたしから離れようとしなくて、しまいには『羽依の隣の席じゃないなら学校なんか来ない』ってめちゃくちゃな抗議して、無理矢理あたしの隣の席を陣取ってた。




だからあたしに彼氏ができるたびに一週間寝込んでたけど…。




まぁね、高校までついてくるのは想定内。
むしろクラス離れてよかった、って思ってるけどね。





「…羽依?」





不思議そうな顔で首を傾げる葵。
ぼーっとしちゃってた。





「俺の顔になんかついてた?」


「ううん。昔のこと思い出してた」




葵が更生したころのね。
「昔?」ってさらに不思議がってるけど、その内容は教えてあげない。